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音声 : https://soundcloud.com/cybozutech/w_haibara?in=cybozutech/sets/drifticecrossing
記事 : https://note.com/hiroko_kamata/n/nfb206f4b51dd

文字起こし内容

オープニング 00:00

みなさまこんにちは.西原です.
サイボウズ株式会社は開発本部にあります,コネクト支援チームに所属している者です.
  
こちら流氷交差点は日本各地のITコミュニティの方々にインタビューをして,いろんなコミュニティの現状を記録に残していきましょうというプロジェクトになります.それぞれの地域性を感じたり感じなかったりしながら,聞いているみなさんが日本各地のITコミュニティ行きたくなってしかたない状況にできればと思っています.
さて,今回 #4は北海道で活動しているITコミュニティ「LOCAL(ろーかる)学生部※」について,前部長の灰原さんをお呼びしてお話ししました.かれこれ 10 年ちかく受け継がれ,北海道各地の学生をつないできたコミュニティです.そんな LOCAL 学生部を取り巻く現状についてお話ししました.それではどうぞ.
※LOCAL学生部:http://students.local.or.jp/

本編

1:35

西原:流氷交差点は#4まで来てしまいましたよ。
灰原:おめでとうございます。
西原:今日はLOCAL学生部の部長は…ん?部長は交代したのか?
灰原:ぎりぎりですね、あと数日(収録時8月)はまだ部長です。
西原:ぎりぎり部長の灰原(はいばら)くんにお越しいただきました〜。よろしくお願いします。そうなんですよね、LOCAL学生部はこの時期に世代変わりがあるという、絶妙なタイミングで収録しているわけですね。今日は8月6日なんで。それでは普段の活動とか、どういう団体なのかを説明してもらっていいですか?
灰原:LOCAL学生部は北海道の中の学生の集まり。っていう、定義としてはそれだけで、何をするかはその時に居る人たちだけで全部決めていいかなというのはまず、あって。あとあれですね、北海道、実は広いんですよ。
西原:実は(笑)。みんな知らないかもしれないけど、広い。
灰原:僕は室蘭に住んでいるんですけど、西原さんは旭川ですけど、僕と西原さんが会おうとすると…。
西原:お互い2時間はかけて札幌に移動しなきゃいけない。
灰原:そういう2時間と5千円という人月かかってしまうので。基本、毎月お話するときはDiscordとかオンラインで話していて、コロナになる前からオンラインで話をしていたかなという感じですかね。月一くらいで雑談するというのと、それだけだとメリハリがないので、年に1回は開発合宿みたいなことをやっていまして。「学生部総大会」という名前で、1泊2日ハンズオンで何かを作る。みたいなことをやっています。いつもは、開発合宿なんですけれども。2018年の総大会にはなんと、さくらインターネットさんの石狩データセンターで、見学させていただいて、見学だけでは飽き足らず、データセンターの中で開発合宿をして一晩過ごすということをしたり。
西原:めたくそ贅沢だ。
灰原:まぁそういう「学生の夢」的なことをやっていこうというところです。楽しいことをしようというのが一番かなって思います。さっきもお話ししましたけど、部長も変わるのでこれから。僕もそろそろ大人になってしまうので…。
西原:そろそろ大人になる(笑)。
灰原:次の学生達が楽しいことやってくれたらな、って思っています。
西原:実は僕も話を聞いている体だけど、僕もOBなんで。振り返ってみると、2009年からとかかな。たぶんできてんじゃないっけな〜。って考えたらもう10年?
灰原:10年とかはもう超えてますよね?
西原:12年とかになりますね。そして、僕から補足しておくと、LOCAL学生部というのは、LOCALという一般社団法人があってですね。毎回これを説明しないといけないのは大変なんですけど、北海道のITコミュニティを支援するという位置付けのやつがあって。2007年に一般社団法人になったんだっけ。っていうところの、学生の人たちが一生懸命活動できる部活動という位置付けですね。お金とかの面では、LOCALの予算の中でだとか本人達の持ち出しとかだよね?今もたぶんそうですよね?

5:41

灰原:そうですね。
西原:ちなみに構成のメンツは今はどんな感じですか?
灰原:構成はですね、一応入部資格といいますか、入部できる人は、北海道にゆかりのある学生、ということになっていて。16歳以上の学生が対象になっています。なので、一番年下の学生は高校生、高専生の16歳が一番下で。高専生・専門学校生・大学生・大学院生、世の中で学生と呼ばれるような人たちが居てですね。学生の集まりといっても高校一年生と、修士や博士の方がたまに居たりするので、けっこう年齢層は豊かというか、幅広い感じがありますね。
西原:10以上離れている人も居るということだよね。16から25くらいまでと。
灰原:10近くなりますね、確かに。ジェネレーションギャップもありますよね。
西原:会社の中だったら22と32ってわりとよくある。あり得る範疇だけど、学生のうちに10離れている人が同じ組織って、ないよね。地元の和太鼓サークルとかそういう、広範にわたるものじゃないとありえないような組成になってる。
灰原:和太鼓サークルは年齢差ありますよね。
西原:16歳っていうのは理由があるの?
灰原:16歳はSlackの利用規約ですね、16歳以上じゃないとアカウント作れないという規約があり、Slack使わないのはしんどいなというのがありますね。北海道実は広いので(笑)。オンラインツールがないと辛いというのがあって、16までは待ってもらおうということになっていますね。
西原:高校一年生だからなれるというわけでもなくて、満16歳になるまでということという制限がある。2年生以上だったら確実に入れるというのかな、年齢的にいえば。いる人たちはみんな技術系の勉強をしている人たちが今はいる?
灰原:そうですね。基本的には、やっぱり道内の高専であったり、情報系の大学、まあ、工学部が多いですが、たまにですが、高校生からLOCAL学生部に関わっている人で、進学先が情報じゃないという人はたまに現れる。
西原:なるほど、そういうパターンがいるんだ。
灰原:まだ未来があるうちに学生部に関わっていると。

西原:大学に入っていると修士、博士からとかで違うところってのはあるかもしれないけど。高校から入っているとなんでもありえるというか。普通科の子もいる?
灰原:今はいましたっけ?
西原:悩むのも仕方ない。聞いている人はわからないかもしれないけれども、LOCAL学生部は32人、田舎の高校のひとクラスより多い。定員割れしているところで少ないところはもっと少ないんで。
灰原:今名簿をざっと見てみたら、普通科の高校生だった人も今進学して専門学校へ行ったり大学生になったりしていますね。
西原:なんせあれだよね、これちょっと地域情報もあるかもしれないけど、北海道4高専(函館、釧路、苫小牧、旭川)を考えると、札幌にないからね。
灰原:そうですね。
西原:だから札幌の高校生な人でOSCみたいなイベントで出会った人となると、工学系じゃない高校生だったりするのが十二分にある。大学も工業大学だったら、北見、室蘭、北大の工学部とか?あと札幌も何個か電気とか情報をもっているところあるのか。私立で。

10:18

灰原:北海道情報大学とか。
西原:そっか、江別市の情報大学。でも札幌圏内だから。稚内北星(学園)とか。はこだて未来大。
灰原:千歳科技大(科学技術大学)ですね。
西原:と考えていっても、工学系の進学先が用意されていない地方の人ってね、いくらいるの?179市町村のうち、どれだけがそこに到達できんのかって考えていったらね。工業高校はそれなりにあるけど。情報技術科も今5個かな?道内。
灰原:あぁそうなんですね。
西原:ぼくが高校生の2009年の時は、10個ぐらいで、10年の間になくなったか、電気科と統合して電気情報工学科になったか。
灰原:逆に大学はどんどん情報系が増えている世の中ですけどね。
西原:(工学系)減っちゃっててね。そんなこと考えていると、工学系の学校に通っているから来ているっていうのだけじゃなくて、結構別のところから来ても、お前はダメだということはなく受け入れているということですよね。
灰原:そうですね。けっこう学生部に来てる人って、大学の授業に満足していない人とかが来ていることが多くて(笑)。
西原:なるほど(笑)。
灰原:そういう意味では、学校あまり関係ない感じがしますね。
西原:もっとこう詳しいことをやりたいとか。同じ学校の友達でももうちょっと技術の話通じる人が欲しいなと思っていたパターンはけっこう聞く感じがしますね。
灰原:学生部の中で話してて、けっこう共通の話題に上がるのは、僕も大学1年生とか2年生とか、結構感じたりしたんですけど、大学でプログラミングの課題が渡されて、みんなで取り組むってなった時に、やっぱりなんか、自分はそれを技術的な課題として捉えてて、なんとかエレガントに解こうという気持ちがやっぱりエンジニアのたまごとして当然あるわけだけれども、周りの友達たちは、やっぱ学校の課題を解くという感覚でしかない。というところで、ちょっとなんだかな、もやっ、っとした感じが生まれるというのは、やっぱみんな、あるようで。とくに北海道のというところがあるのかもしれないですけれども。大学の中で「エンジニアになりたいぜ!」っていう学生が、そんなに多くないというのが。
西原:LOCAL学生部に来ている子じゃなくて、大学生全体で見るとということ?
灰原:そう、一学年の中に。というのを考えると、エンジニアになりたがっている友達が欲しい、というのも動機にあるかなって思いますね。
西原:はいはい。そうか将来こう目指すところの方向性が近い友人関係というのが築きにくい環境にあると、こっちに来て探す、って感じになるのか。
灰原:そうだと思います。僕もそうですね(笑)。最初に入った時は。
西原:ふむふむ。学生部のOB考えたらだいたいそうか。ITエンジニアが多いのかなって気もするけど。たまに電気系もいたりするけど。僕はめずらしい学校教育シリーズだけれども。そういうのもいるけど、確かに技術系で何かをしたいという集まりではあるよね。OBおっかけても確かにそうだ。そういう人たちと交流するのに、…一番最初?に、お互いに感化されているのは…。オンラインで感化されてスタートしてる?それともイベントで会って?
灰原:どうでしょう?学生部に入ってみようって思う瞬間っていうか。やっぱりOSCきっかけに入ってくれる子は多くて。それこそOSCがまだ2年前にリアルで開催してた時ですけど、そういう時、ふらっと見に来た学生さんが、こう…LOCAL学生部がブース展示をしていて、そのブースを見て、そのあと入ってくれるみたいなケースがけっこう多かったんですけど。ふらっと来た側の学生としては、こっちはお客さんとしてOSCに参加したつもりだったんだけれども、ブースの向こう側に展示する側の学生が、(学生)いるんだっていうのが若干びっくりするんじゃないかなっていう感じがある気がしますね。「あ、自分もそっちに行ってもいいんだな」という感覚があるかもしれないですね。
西原:OSCの展示ブースに学生って。今でこそだいぶ学生増えてきたけど、それでも、LOCAL学生部と、どっかの大学のサークルとか。ちょっと前は琴似工業高校がCANSATで出てきてた気がするけど。あとは僕が連れてきた富良野勢とかね。それぐらいがポツポツいるだけだから。まぁあの目立つよね、基本的に。大人がいっぱいいる中での学生っていうと。

15:51

灰原:OSCもけっこう年齢層若干高い気がしますもんね。ベテランが結構来てるイメージがあり。
西原:長いからね2004年からスタートしてっからさ、16年経ってる。当時20歳だった人でさえ36歳だから(笑)。いや、あのベテラン勢が活気がないというつもりはないけれども(笑)。こう、なんていうか、若いエネルギーが溢れた場所があるから、それは確かに魅力的に映るだろうなって感じがするよね。イベントであって、LOCAL学生部に入ります、で入ったあとは?総大会までなにもないわけじゃないもんね。今だと月1で部会があるのか。
灰原:学生サークルのひとつだと思うんですけれども、なんていうか、目標とかが課されるわけではないので、各々で楽しんでくださいという感じではあるのですが、一応あるのは月一で部会。がありますね。部会といいつつ会議というわけではないので、何か話す機会をつくりましょうと。それこそコロナ禍になって、企業でも雑談の時間を意図的に設けましょうと、カレンダーに「雑談」て予定が入ることがあると思うんですけど、それに近いことをやっているのかなと思いますね。
西原:みんな予定があったりあわなかったりするだろうけど、いつもだいたい何人ぐらい(集まるの)?
灰原:10人いないぐらいですかね?8人から15人ぐらい。多くて15人とか来ますね。
西原:15人来ていればけっこう。そのへんのちっちゃいイベントよりは来てる。
灰原:確かに(笑)。
西原:昔だったら・・そのさ、DiscordなりSlackなり、Hangoutとかオンラインとイベントとで行き来して、オフラインはできてた。あうのとは(違う?)オンラインになると実際に会う機会減るじゃない?それでも今までと変わらず出来てる?
灰原:どうでしょうね…、正直盛り上がりは減っちゃってるっていうのは、正直なところですね。
西原:札幌に集まるってなったら、最長6時間かけてやってくる、集合する。
灰原:函館から夜行バスでやってきたりするんですよ。
西原:0泊2日間、みたいなそういう(笑)テンション上がるお祭り感は削がれちゃってるかもしれないね。
灰原:そうなんですよね〜
西原:しかもOSCとか総大会に限らずちっちゃい勉強会で偶然一緒になるというのもあるわけじゃない、なんかこう。Pythonの勉強会行ったら「あ。いたー」みたいな。「わざわざ旭川から来たんですか」とか。そういう話す機会が僕らの世代にはあったから新しい勉強会とかがぶち上がったりしたんだと思うんだけど、オンラインオンリーになるとそこがなかなか難しそうだよね。
灰原:そうですね、おんなじYoutubeLive見てても、話しませんからね。
西原:今って、オンラインでしゃべる時って、部会以外のときでも常に会話できるなにかが用意されている?なんか「ギャザー」とか使ってなかったっけ?
灰原:そうですね、Gather.town (ぎゃざーたうん) でワールドをつくってくれた部員がいて、部屋が開いていますね。discord(ディスコード)も部屋が開いている状態なので「話そう」と言えば話せる状態にはありますね。
西原:一応それがあるから、月一でしゃべりはするけども、それ以外でもなにか突発的なことが起こっても、熱があるうちになんとかできる、インフラは整っていると。
灰原:そうですね。そうなんですけどね…
西原:だけど、その感じ(声のトーン)を聞くと、インフラは整っているものの、突発的にそういうものが発生する状況ではなさそう…
灰原:すごく立派な道路はできているけれども…交通量は多くないっていうのはあるかもしれないですね。
西原:そういうたてつけみたいなものって難しいもんなぁ。すごいリードする人がいてやるんだったら別なんだろうけど。自然発生するようなものも、なかなかねぇ。

20:20

灰原:やっぱり、室蘭とか旭川とかから札幌に(オフラインのイベントのために)移動していたのは価値があったんだな、ってあらためて感じますね。
西原:こういう状況になって2年半ぐらい経つけど、当たり前になって来ているけど、まだその話をするというのは未練がましいというか(笑)。たぶんそこに戻りたい気持ちがある要因が、あるんだろうね。
灰原:自分はもう大丈夫かなと思っているんですよ。ある程度、ITエンジニアの業界や情報系の友人だとか人脈ができているし。っていう状況になったら、イベントはそのイベントの情報が聞ければいいかなというのが正直あり、大人だとか(人脈のある)そういう人たちにとっては、学習効率はいいのかなと思うんですけど、今、北海道の札幌以外の工業系の学校に通っていて、右も左もわからないし友達もいないという子達はどうしたらいいのかな、って思う時はあるんですけど、今答えは出てこない感じはありますね。
西原:灰原くんがITコミュニテイに入ってきたのって、資料を見ると2018年5月に入部、ってあるけど、この頃?もっと前?LOCAL学生部に入ったのと同時なのかなって。
灰原:そうですね、LOCAL学生部に入ったのは、大学の先輩にTwitterでそそのかされて入ったんですよ(笑)。
西原:なるほど(笑)、顔が思い浮かぶけど誰とは言わず。
灰原:まさにその当時の自分は、地方の大学で学ぶ友達がいない寂しい奴だったんで。なんとかTwitterで技術的な発信をしてみようと、淡い期待を抱いていた状態。で、その時の先輩には本当に感謝しているんですけど、「学生部に入れば?」って言われて、なんだかよくわからない。一般社団法人って何だろうって思いながら。メーリングリストってなんだろうって。
西原:メーリングリストは古(いにしえ)の文化になってきているからな。なるほどね。
灰原:頑張って入会のあれ(申込フォーム)を書き、「あ、北海道でもそういう勉強会ってあるんだな」ってその時に知りましたね。
西原:ほんとにその時に某先輩の誘いがあるまでは、勉強会や技術系の集まりには一切縁がない「無」だったわけか。本当に。
灰原:出身も普通科の高校だったので、まったく業界とのつながりとかが「無く」ですね。
西原:じゃ、2018年だから、3年?4年経つのか。その間コロナで2年だとすると、そうすると2年ちょっとぐらいで、いろんな人とつながりができるような動きができてたのか。
灰原:逆に言うとそうなりますよね。
西原:なるほど。じゃぁ4年中、2年ぐらいはいろんな人のところに会いに行ったりしたわけか。それができれば、オンラインだけでも自走可能なぐらいのラインまでにくることは、出来はするということね。
灰原:そうだと思いますね。
西原:なるほど。活動年表を軽く聞いていくと、どうやって他の学生たちが灰原くんの背中を見ながら、どういうふうに生活していくかヒントになる気がすると思うので、ちょっとあらためて説明してもらいましょうか。

25:13

灰原:まず入部は、2018年の5月頃。そそのかされ入部しまして。こんなものがあるのか!という感じで。一回、室蘭でLOCALのイベントをやってもらったことがあって。”LDD MURORAN” というのがあったんですよね。
西原:あーはいはい、ありましたね。僕行けなかったけど、あったねMURORAN。
灰原:僕ちょうど入部したくらいの時で。どっちが先か忘れちゃいましたけど。そこでLOCALの理事をされている澤田周さんのお話を伺ったりとか、小野寺さんですとか。二人共、室蘭工業大学ご出身の先輩で、室工大スタートでこういうキャリアもあるんだと意外な気持ちになりました。
西原:その時一年生か。なるほど。それで8月にデータセンター行ってるんだ。冬ではなくて夏に行ってるんだ。Twitterで5月にK先輩に呼ばれて、A先輩だっけ…
灰原:K先輩です(笑)。
西原:Twitter呼ばれて、5月に入って、5月にイベントが室蘭あって、3ヶ月後にはデータセンターに行ってる(笑)。なかなかハイペースだよね。
灰原:今となってはインフラは興味分野ではあるんですけれども。この頃はまだぜんぜんわかっていなくて、今思えばすごいものを見たな、なんですけど、この時は「あー機械がいっぱいある〜!」みたいな気持ちが(笑)。
西原:プログラム書き始めたのは高校生からやってた?
灰原:プログラミングは中学生からやっていましたね。
西原:なるほど、けっこう早かったんだね。
灰原:そこはもう孤独に(笑)。インターネットだけでやっていましたね。
西原:2013、4年からプログラミングカキカキして。
灰原:ニコニコ動画で(笑)。
西原:ニコニコ技術部みたいなところ。
灰原:今でも覚えていますけど、”プログラミング”・”やり方”でググったんですよ。今の駆け出しエンジニアと同じですよね。
西原:とにかく手当り次第こう、ある情報を真似してやって。勉強してちょこちょこやってできるようになってる中で発信してたら、つかまってという流れだから、まったく知識がないわけではなく、なんとなくふわっと、ネットワークとはルータというのがあるなというそれぐらいの基礎知識がある状態で行ったということなのね。
灰原:そうですね。それくらいでしたね。
西原:でかい経験ですよ。タイミングだからね。今行きたいからって行けるかという話だから。行ける時に行っといたほうがいい。で、しかもその後にもう10月にいきなり部長なの?
灰原:そうなんですよね。
西原:そんな速度感だったのか。
灰原:この時10月に、くだんのKさんですよ。部長だったんですけど、次の部長を探しているというお話を、一緒に蕎麦食いながらされて。「うっす」みたいな感じで。完全に引き継いだのは年明けて、新年度入ったぐらいでしたけど、10月ぐらいからだんだん半年ぐらいかけて色々引き継ぎをして。
西原:そん時ってさ、技術同人誌をLOCAL学生部で書いてた時期?
灰原:同人誌は、僕が入る前の年に技術書典出してましたよね。
西原:そうか、じゃぁ2017か。
灰原:2018年に部長を任され、2019年に入ってからもう1本出しましたね、同人誌。
西原:その速度感、真似しようとしてなかなかできるもんではないよね。台風のように過ぎ去っているんだ。
灰原:まとめてみるとこんな感じだったっけ?と思いましたけど。
西原:入って5ヶ月で部長やることになって。この時って高校生もいる時期だよね。僕がまだ学校教員だったってことはつまり、あわあわ氏とかは3年生だ。
灰原:そうですね、教え子たちが。

30:02

西原:旭川高専に富良野(市内の中学校)から入学してったのも、1年生で居たぐらいか。げんし、こだま氏達、その辺が。ってなると大学一年生はちょうど真ん中だもんね。世代的にはね。
灰原:そうなんですよね。
西原:部長代々こうなんか、4年生とかね。M1とかM2の人だった時もあったけど、たぶんあれじゃないかな。河石さんやってた時はM2かM1だった気がする。ちょうど、onodesさん(LOCAL 学生部初代部長)が引き継ぐぞってなった時に河石さんとこいってそっからこう、がる氏、あるねこ氏、けんつ氏。
灰原:次が僕ですね。
西原:劇的な若返りを果たしているんだね。そうか。
灰原:なんかけっこう、僕が入ったあたりぐらいから急に平均年齢が下がった気がします。
西原:それまで10何人だったのが30何人になったから。年齢層上も下もね、修士の人たちも居たりしてね。2019年は総大会できているのか?いつやった?冬?
灰原:2020年の1月とかにやりましたね。
西原:じゃぁもうほんとギリギリ。
灰原:ギリギリ。まだちょうど中国でって話がでてきたばかりで。
西原:JANOG45前後くらい。
灰原:そうですそうです、札幌開催。
西原:ほんとにギリギリだったんだな。あれだって1ヶ月ずれていたらできてなかったと思うよね。
灰原:そうですね、無理ですね。
西原:2020年1月の総大会が、最後のオフラインイベント?
灰原:そうなりますね。
西原:2年か、2年以上経っているんだ。じゃ、その間オンラインでしか会えてない?
灰原:まぁなんか感染状況も緩急がこれまでもありましたし、大学も対面になったり、大学のサークル活動も許されたりという中で、すごく感染対策しっかりすればオフライン開催できたかもしれないんだけど、開催で大変な思いをするのだったら、学生達に対策でストレスになるかもしれないからというのがあり、無理にはやっていないですね。
西原:近所だけで集まれないもんね。市町村またいでくることになるから。
灰原:北海道の地図を関東に置いたら、県をまたぐ移動に相当しますよね。
西原:それぞれの地域ごとに集まってやるならあれですけど、それはそれで運営労力的にみんながなんかしなきゃで大変となる。あれだろうし。
灰原:自分が部長になってからずっと思っているんですけど、学生部は享受する側で、全員が享受する側である状態にしたいと思っていて。運営を大変なイベントにすると誰か苦労する人が出てくるので。なんかそこまで。イベント屋さんじゃないしな。という気持ちはありますよね。
西原:みんなが均等に苦労するとかそういう状況ができればいいけど、なかなかね。やっぱり距離的な問題だったりとか、年齢層的な問題だったりとか。それぞれが同じぐらいに負担していると思えるような、それを割り振るような作業が発生してくるもんね。
灰原:去年1年、今年1年になってしまうかもしれないけど、ここに関してはみんな、ゆっくり家で勉強しようよという気持ちでいましたね、自分は。
西原:オンラインで話ができないわけでもないし。Twitterみたいなのでお互いがすごいことやっているなって刺激され合うこととか十分できるだろうし。新しくいる人…増える人たちはちょっと違うかもしれないけど。今いる人たちはね。オンラインになってから入部って、たまにあるよね?
灰原:たまにあります、ありがたいことに。オンラインになってから入ってくれる人は、もともと部員と友達という人が多いですね。もともとの友達が学生部に入ってて、1年ぐらい活動していて、自分もそろそろ技術をやりたいって気持ちになって入ってくれる、というパターンがけっこうありますね。

35:10

西原:なんとなく存在をぼんやり知っている層が入ってくる感じだ。
灰原:専門学校に進学したのを機に、という人も居ましたし。
西原:クラスとか同じサークルの友達の中でそういうのをやっている子達がいて、自分も徐々に近寄って行きたくなる気持ちが高まってくるみたいな。
灰原:けっこう勇気いると思うんですよね。入部するのに。
西原:見つけてさ、「あ、入ろう〜」みたいな、そんな即決できる人はそんなに多くない。それでも部員が増えているというのは周りの人たちが見ても、ある程度尖っている活動を普段からやっているんだろうね。
灰原:そうだと思いますね、きっと。
西原:LOCAL学生部のスタート考えたらさ、学生が勉強会出るなんてほとんどありえないという感じで、おのですさんたち言ってたけど、2009年とかだと、大学生が発表するとかえらいことというか。参加者の中に居るってことだけでも相当すごいことだみたいな。流れだったけど、今だったらね学生いないことないしね。出ようと思ったら出られる感じで、絶対数としては少ないのはそりゃそうなんだけど、いても不思議じゃない状況にはなってるよね。
灰原:企業の採用の仕方とかも変わっているような気がしていて、登壇してくるような人は優秀だからそういう人に目をつけたいとか。そういう企業側の動きもこの10年であった気がしますね。
西原:自分高校生の時とかって、ITの仕事ってなんかこう、もはやIT土方っていう単語が一番上に出てたような気がするな。すごいブラックイメージというか。今みたいなキラキラ的な感じの雰囲気ってあんまりなかった。なんかすごいなみたいなのはあったけど。2010年だったらそもそもクラウドというのもあんまりみんな馴染みのあるものじゃなかった気がするんだよね。ほんとにすごい人たちがそういうのをやっている、みたいな感じで、2013年ぐらいでAzureとか。ようやくみんながAPI使えるみたいな感じになったみたいな。Visual Studio が新しくなったと同時にそんなのができるぞ、とか。隔世の感がありますね。学生に提供していったほうがいい情報とか、コミュニティとの関わり方とか時代とともに変わって違う形になってきますよね、きっとね。今までだととにかく参加、とか、登壇できる機会を、みたいな感じだったけど、今だったらどういうふうな関わり合いをすると学生はうれしいのかね?
灰原:どうでしょうね。
西原:けっこう環境としては溢れてきてる感はあるかな。今だとYoutubeに残るしな。
灰原:そうですね、学生、大学一年生とかでこれからエンジニアになりたいって思った時に、まだ自分の専門分野が決まりきってないって言う時に、情報がありすぎる感じがありますよね。ネットで調べて大抵のことに入門できちゃう時代じゃないですか。DockerやってCloudやってPython書いて機械学習して、みたいな。一連の入門ばっかりできちゃう感じがあり。で逆に昔、10年前、20年前とかまで遡ると、分厚い技術書を1冊買うしかなく、とにかくそれをやりきるしかなくて。結局その買った本のスペシャリストになる、みたいな人が居る気がするんですけど。そういう決め切る覚悟が必要なのかもしれないですよね。情報が溢れている分。
西原:なんか前だとパタヘネ本で読むしかない。うーって言って頑張って読むみたいなね。大変かもしれないけど定まった指標みたいなのがあったかもしれないけど、今だとそうだよね動画コンテンツというか、課題を解く系で進むものとかコンテスト形式のものもあるし、初めての人向け勉強会とかね、なんだったら企業とかもやっているしね。選球眼っていうの?それを養う前に溢れている状況、学生というか入門者全域の大変さなのか。
灰原:それと自分が勝手に不安に思っているところは、すごい最近のそういうプログラミングの学習記事だとか本とかが、マーケティングに強く結びつきすぎているなという感じがあり。すごくSEO狙ってきているというか。エンゲージメント狙ってきている記事が多くて、やっぱそういうのって、タイトルを見たら読みたくなったりするじゃないですか。そういうマーケティングがうまい記事に無垢な学生が惹かれてしまって、ちゃんと学ぶべきところに到達できない可能性があるんじゃないかなっていうのが不安なところですね。なんか、大学1年生で…これ老害って言われる気もしますけど、基礎的なところをやるべきかなって気がしていて、Linuxコマンドとか、簡単なC、Computer Sicenece とか。Computer Architecture とか。やると思うんですけど、そういう教科書的なことって、あまりマーケティング受けが良くないから、ググった時に一番最初に出てくる記事になりにくい感じがしていて。

41:35

西原:確かにね、「ls」がわかって儲かるかって話でもあるよね。そういうことを考えると、学習コンテンツとしては溢れてきている一方で、そういうのはすぐ儲けられるというか、仕事するならみたいなところに直結しがちで、ま、そうじゃないとユーザー数もとれないというのがあるんだろうけど、これも議論を呼びそうではあるけど、のっぴきならん就職してしまったあとの人たちにはまぁね、即効力があって、非常にいいのかもしれないけど、基礎力につながるところなのかというのは、結構疑問があるよね。そういうのは昔からあるような気もするけど、ぱっとより合わせでそれなりにやりたいことができるようになってきた、それはいいことなのかもしれないけど。技術がわかる人だけがすごく仕事を楽できるという世界を脱出したがゆえの、Python5行書いたら画像認識できるみたいな。
灰原:そうですね、まさに。
西原:技術をほんとにやろうとしている人が、これが技術だと思って入っていったときに、深堀していくにはルートとしてはちょっと難しいところに入り込んじゃう可能性はあるよね。そこの判断はつかない。自分の話で思い出すのはさ、工業系の学校を進みたいと思って高専受けるとなったときに、制御情報工学科と、電気情報工学科と、どっちに行ったらプログラミングできるかわからなかったんだよね。で、体験入学では、電気情報工学科のほうが組み込み制御だった。フルカラーLEDの。明らかにプログラミング書いたね、C言語だから。H8だった気がするな。PDR5とか書いてたんだけど。で、制御情報のほうも体験受けに行ったのさ。そっちは 3D CAD だったんだよね。それを受けて、パンフレットも見て、両方プログラミングって書いてあるけど、体験入学でプログラミングやったほうを受けたら間違いないと思って、僕は電気情報工学科を受けにいったら「うちはそんなにたくさんプログラミングやりません」って言われて落ちるという。わかんなくない?体験入学でプログラミングやってるんだよ。まさかそっちだとは思わない、みたいな。
灰原:なんかその話も、マーケティングに飲まれる例なのかな、って気がしてて。プログラミングをその当時で、フルカラーLEDをやってみましょう、ってけっこうウケると思うんですよ。
西原:そう、すげーって思った記憶あるよ。
灰原:オープンキャンパスのコンテンツ力が高いから、そういう気持ちで企画されたと思うのですけど。(学生は)そこに惹かれちゃって、行ったけど違ったと。うーん。
西原:電気科だからね、純然たる電気科だからね。
灰原:その判断力を高校1年生とか大学1年生に求めるのは酷な気がしますね。
西原:いや大変だよ。どんだけ興味あったとしても、どこからどういう風に見るのかで同じものが違って見えるわけだしさ、計算とかすごいするようなところだったら情報工学系観点からも見えるけど、数学的な観点からも見れないこともないわけじゃない。初めて触ったのが「まとらぼ(MATLAB)です※」みたいな人ってさ、プログラミングなのか研究なのか判別つかないところに入ってて、そっからゲーム作りたいですMATLABで、って話になるか?みたいな。わからなかったらやろうとするよね、きっとね。
※MATLAB:アメリカのMathWorks社が開発している数値解析ソフトウェア、またはその中で使うプログラミング言語の名称。類似でGNU Octaveなどがある。
灰原:うーん。
西原:昔だったら情報が少ないって理由に難しかったかもしれないけど。今だったら情報が多すぎて判別つかなかったり、全部ちょっとずつやってみても…どうしてそう動いているのか、どこを変えたらこうなるのかみたいなものが、探しに行かないといけないんだよね、今だと。
灰原:そうですね…。ネットがすごい元気になったから、逆に仇となっているところもあるんでしょうね。
西原:知らないものは引き出せないわけだからね、Googleとかの中からさ。
灰原:これ同級生の話ですけど、けっこう独学でUnityとかPHPとかを書いている人で、でまぁ普通にプログラム書けるよねって感じの人なんですけど、技術的な本を通して読んだことがないって。 で、「ネットで調べれば、わからないことはだいたい解決できるのに、なんでみんな本を読むんだろう?」みたいなことを言っていて。やっぱり体系立てて知識を入れて、その知識を使って次なる問題解決に活かす的なところって、エンジニアたちにとっては共通認識だと思うんですけど、そういうところ、原理原則的なところが共有できないままプログラムは書けるようになってしまう。っていうところがありそうですね。

46:39

西原:職種によってはそれでもいい職種はあるのかもしれないけれど、IT系じゃないっていうかさ、
灰原:RPA的な
西原:きっちりコード書いていくエンジニア的なところだと、原理原則わかっていないと、苦しい側面に立たされた時のふんばりが違うだろうね。なんか思うのはね。学生とかがプログラムとかやりたいと思った時に、ちょっとコードを使っていろんな社会問題解決するって側に立って、そんなに技術的なことを追わずとも、トレンドを拾って即解決できるというほうになりたいのか。OSとかComputerSicenceみたいなところちゃんとやって低いレイヤーから積み上げていったりとか、WEBの仕組みもね…なんとなくこう。区別つくのってさ、いろんな人としゃべって違和感があるとか、同じ空気感とかどうかによって、(徐々に)わかっていく気がするから。本に出会うというのもそうかもしれないけども。そういうコミュニティみたいなところがないまま就活した時のミスマッチってすごく大きそう。なんかちょっと。
灰原:そうですね…
西原:どうなんだろう周りの人見てて…、まだ働き始めてない人が同級生にあたるだろうからアレかもしれんけど、そういうのって起きてるなって感じる場面ってある?
灰原:どうなんでしょうね…、うーん。やっぱり、単純な話、エンジニア系の人とコミュニティなどで話したことがある人は、稚拙な表現ですけど、”大人とちゃんと話せる”みたいなところはあり…(笑)。
そういう意味で面接のハードルは下がっているところはあるかもしれないですね。逆にあまり参加していない人、学内の勉強会にはいつもきてくれるけど、札幌の勉強会とかには一緒に行ったことはない友達とかは、やっぱり「エンジニアの人とかがしゃべっていることがちょっとよくわからなかった」みたいなことは聞きましたね。就活の時。
西原:用語とかのさ、切った形とかの知識はあったとしても、文脈をとるのは、背景とか、力点とかがわからないとちょっと無理だよね、たぶんね。
灰原:そうですね。すごく言葉全体に染み出した業界用語みたいなのも、ありますよね。
西原:そうだね、そういうのはわからないのが普通なんだろうね基本。通常はね。
今だとそういうのを掴むチャンスもまぁまぁ存在しちゃっていることを考えると、本格的にやっていこうとしたら、やっぱりなんていうか、早い段階からそういうところと絡んでいくと、非常に強い武器になっているということだよね。他のコミュニティの絡みみたいなところでいうとさ、今道外のあれ、会津大、福島だよね、合同勉強会をした。

灰原:そうですね
西原:同じ学生のさ、こっちは(別のお話)一つの大学のサークルかもしれないけど。やってみてどうだった?ぜんぜん違う視点とか持ってたの?けっこう似通ってたのかとか。

50:12

灰原:そうですね、会津大学、Zli(じらい)っていうサークルさんと、LOCAL学生部で一緒にLT大会をやったことがあるんですけど、なんでしょうね。感じたのは、東京への近さを感じましたね。
西原:なるほど、そうか。
灰原:まぁ、近くはないんですけど(笑)。
西原:陸路で繋がっているからね、我々は海外だからね(笑)。
灰原:インターンまではいかなくても企業の勉強会に参加していたりとか、企業とサークルの合同のイベントをやっていたりとか。企業というのは東京の企業ですね。そういうところでは、企業との近さというところでは、感じたりしましたね。東京の企業との。
西原:逆にLOCAL学生部はそこはニュートラルにというか、学生だけで純粋に技術に真摯に向き合える場を目指しているからか、ちょっとやっぱそういうところでも違いが出るのね。
灰原:そこもけっこう面白かったな。
西原:大学も最終的に就職するという研究職もあるのかもしれないけど、そういうのと高校生も含めてとなると、目指すところが違うのかね。
灰原:そうなのかもしれないですね。あんまり学生部って就活を意識していないサークルなので。
西原:確かにそうだね。
灰原:浮世離れしているところなので(笑)。
西原:浮世離れ(笑)。酔狂な遊びというか道楽というか。
灰原:ほんとに学生部でLTやるときは、酔狂な、しっちゃかめっちゃかなLT大会になるんですけど。
西原:そうだね、学生サークル昔からいろいろあったような気がするんだけど、その中でもLOCAL学生部は利害関係みたいなものが存在しない世界線の話をしている気がする。
灰原:LOCALの中にあるってことのおかげですよね。予算もいただいており。企業側と関わる時もただの学生ではなく、一般社団法人の中のという形になるので。あまりなんか、想像したくないんですけど、学生サークルを食い物にしようとする会社っていうのもあるという話も聞いたりするので、そういう会社はまぁわざわざうちに来ないだろうなと。その安心感はありますね。
西原:大人フィルターかかるもんね。お金とか絡む時は、僕ら(LOCAL大人幹部)を通していいよってことに、一応ルール上なっているから。基本的にはまぁそうね、広告狙いとかそういうのはLOCALの理念とは違うということで、お断りするということはまぁもちろん。
灰原:なんかそういう予算をいただき、フィルターを通していただき、つつも、活動自体は完全に学生で独立しているというのが、ユートピアですよね(笑)。
西原:今の大人のLOCALの人たちがほしかった環境といえばそうなのかもしれないよね。お金の心配なのかもしれないけど。そんなに心配しないで大人の顔色を伺わずに、公序良俗に反しない範囲で好きなことができるというのは。そういうところでやっぱ、はえてくるよね、なんか面白いことがさ。伸びっていうかさ。それはあるよね。それこそ登(大遊)さんの発表とかも見ててもさ、非常にこうバランスのとれた絶妙なところでの「ケッタイな行為が」っていう、のが書いてあるから。それは昔からLOCALはそうだな、って。
灰原:ほんとに部員たちには、ユートピアを活用してほしいところですね。
西原:そうだね。LOCALの大人たちが「あれしろ、これしろ」言い出したら話は別なんだろうけど。基本的には好きなことやっててくれという感じで。こないだの2021年に入ってからOB側もなんかやろうかという雰囲気になって、本のプレゼントやったりとかいろいろやったけど。
灰原:OBとのイベントもありますけど、それはまた別の独立したイベントで。学生部は学生部の活動でアリですからね。

54:45

西原:考えてみればそうだよね、学生のサークルって考えたら予算ってどっからかとってこないといけないもんね。
灰原:うちの大学のサークルだったら、学務課から予算が出るんですけど、予算はでないのか。なんか物品の援助とかは出るんですけど。それをちゃんともらうには月に1回ゴミ掃除をしなきゃいけない(笑)。
西原:なるほど、徳を積まなきゃいけないシステムなのか。
灰原:まぁそういう、面倒事というとアレなんですけど、LOCALはないので安心ですね。
西原:僕が大学生だった時は、一番でかいサークルだったっていうので、その予算を割り振りする側をしてたわけですけど、そうなんだよね。何百万てある予算をさ、何個もサークルある中に上手に分配していって。考えた時に評価基準とか納得しない人が出てきたりしてね。どうしても挑戦的予算を積むのって難しいじゃない。そうじゃない同好会的な予算を取らない形にしたらこんどは企業スポンサーみたいな。
灰原:そういう経験はもう自分でサークルつくっちゃえば勝手にできると思うんで。
西原:技術的な挑戦とか、道内各地の学生とやれると面白そうなこととかは、LOCAL学生部でやる、みたいな。上手な使い方ができるとすごく、あの、灰原選手のように爆速の(笑)進化を遂げることができるかもしれないですね。
灰原:今西原さんが想像した学生はすごい戦略的な学生ですけどね。僕、ただ言われたからやってただけなんですけどね(笑)。
西原:流されるのもアリなんだよね。計画してやるのもいいけど、面白いところに到達しないかもね。
灰原:そうですね、戦略的にやってったら、戦略的なゴールしかないですからね。
西原:意固地になるというか、一個だけのことをやるとどうしても幅がでてこない。「え〜!?」みたいなことを1回受けてみるとか。いやまぁなんか、あまり気を負わずにコミュニティと関わってみるといいかもしれないですね、進路選択する切羽詰まる時期の前にさ、なんというかふわっと。
灰原:適当にやるのが一番すね。
西原:(笑)
灰原:(笑)

エンディング

ここまでお聞きくださりありがとうございます.
10 年前の立ち上げ時に比べると,インターネットを介したコミュニケーションも発達し,IT コミュニティという活動の認知度も上がっています.それぞれ,世代で異なる課題を抱えていることもわかりました.学生が自由に活動できる環境を LOCAL が整える一方で,就活の道具としての登壇活動も増えてきており,見た目は同じでも全く違う活動が展開されている,難しい状況が広がっていることがわかりました.また,情報技術の進歩によって,技術に対する興味の強い人と課題解決に対する興味の強い人で,それぞれのコミュニティが並び立つ現代になっています.受け入れる側としては,入門者が自身の傾向を掴むまで優しく見守る力が必要なのかなと思いました.
 
今回の内容ですが,追って我々コネクト支援チームの note と GitHub にて,文字情報でもこの内容を公開する予定です.この内容を共有したいけれども,音声ではちょっと,という方はぜひそちらもご活用ください.
 
以上,流氷交差点 #4 北海道のITコミュニティ「LOCAL 学生部」灰原さんのインタビューでした.またの機会に.

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